きまぐれ ねねぷりん

オーディオ、車、MDD大好き。ねねぷりんって自分でも何なのかわかりません。

山道を車で探検していて、トンネルが続いてだんだん小さくなっていったお話。

数年前の夏の日の出来事。

 

友達とドライブをしていて、どこでもいいから適当な山道を探して行ける所まで車で行ってみようということになった。

 

私に何箇所か心当たりがあったので、場所はそこに決まった。

 

目的の場所まで移動し、山道のドライブはスタートした。

 

初めはポツポツと民家があり、ごく普通の、のどかな田舎の山道という感じで楽しかった。

 

なんて心が癒される場所なんだろうかと少し感動していた。

 

ポツポツとあった民家は次第に無くなり、周りは道路沿いに見える生茂った木と田んぼだけになってきた。

 

そんな風景の中を数分走り、ここからが山の中です!と言わんばかりの所へたどり着いた。

 

ここにたどり着くまでの道は、すれ違いが普通に行えるような道だったが、ここから先の道は普通車が一台通れるくらいのスペースしかない道だった。

 

車も来ないような感じの道だったのと、軽なら余裕ということと、ここから先に何があるのかという期待から進むことにした。

 

少し車を走らせると、周りに生茂った木のせいで、昼とは思えないくらい寂しく薄暗い感じになってきていた。

 

何故か、家の屋根らしきものが見えてきた。

 

坂道を登っていくと、昔話にでも登場しそうな家だった。

 

外で、農作業をしている年老いた夫婦がこちらを見つめていた。

 

こんな所に住むなんてすごいなと思いながら車を走らせ山頂を目指した。

 

薄暗い雰囲気の場所が終わり、草が道に物凄くはみ出している道になってきた。

 

草がこれだけ生茂っているせいか、アブがちらほら飛んでいるのが見える。

 

山なので虫が居るのが当たり前と思いながらも進んでいく。

 

初めは気にならなかったが、車に付いてくるアブの数が増えていくのが気になってくる。

 

さらに進めて行くと、行く手を阻むかのようにアブの大群が車の周りを囲む。

 

外に居るから大丈夫と思いながら進めて行くとアブの大群は消えていた。

 

アブの大群消えてから数分走ったところで、誰かわからない男性の大きな銅像があるトンネルの前にたどり着いた。

 

トンネルといっても綺麗なトンネルではない。

 

長さは50mあるかないかくらいで真っ暗。

 

いかにも何かが出てきそう、入ったら帰れなくなるんじゃないかと思わせるような雰囲気だった。

 

 ここまで来たのだからトンネルの向こうへ行ってみようという好奇心からトンネルを通った。

 

その先にあったのが同じような道で、またトンネルがある。

 

トンネルの雰囲気は初めと変わらず、サイズは初めのトンネルより少し小さくなっている。

 

このトンネルの先には何があるのだろうと言う好奇心から、トンネルを抜ける。

 

また同じような道と、サイズが小さくなったトンネルが出てきて少し不思議な感覚に襲われる。

 

このときのトンネルのサイズは、軽自動車一台通れるギリギリの大きさだった

 

とりあえず、これで最後にしよう。

 

そう決めてそのトンネルを抜けることにした。

 

トンネルの中は暗く雰囲気が悪いのは今までと同じだったが、トンネルが車とギリギリという圧迫感が凄かった。

 

そのトンネルを抜けた先に見えたのが、人一人歩いて通れるサイズのトンネル。

 

なぜ、トンネルが次第に小さくなっていく・・・

 

誰が何の意味があってトンネルを小さくしていく必要があったのかと思った。

 

さすがに、歩いて通る勇気は無かった。

 

勇気が無かったというか、何かわからない怖さと寒さがあった。

 

やばい所に来てしまったみたいだから引き返そうと言い、引き返すことにした。

 

通ってきたトンネルを戻るとき、帰れるのだろうか、何か出てこないかという考えが離れなかった。

 

無事トンネルを抜けて、特に会話も無くこの山から下りたいという気持ちで必死だった。

 

帰り道のことは、よく覚えていない。

 

そして、数年後。

 

友達と当時のことを話していたらトンネルのことが気になり、もう一度、あの場所に行こうということになった。

 

当時と同じ道を行くも何故かトンネルが見当たらない。

 

本当に、あの場所は存在したのだろうかという夏の思い出。