消化器内科との出会い 初めての大腸内視鏡検査
以前、書いていた記事の続きです。
今日は、初めて大腸内視鏡検査をしたときのお話です。
画像のような検査食を病院の売店で購入して、前日はこれしか食べられません。
一日分で827kcalって驚きますね。
朝昼は難なく乗り越えられたのですが、夕食がスープだけってのが一番辛かったです。
起きていても何もいいことが無いので、かなり早く寝たと思います。
そして、検査当日。
検査室の前に検査を受ける人が集まり開始の時間を待ちます。
待ち時間とは長く感じるものです。
近くに居た30台くらいの2人が『時間あるからタバコ吸ってくるかー』といってタバコを吸いに行きました。
検査当日ってタバコ吸ったら駄目じゃなかったかな?と思いながらも検査開始を待つ。
検査室が開き、丸い机がと椅子が置かれたミーティングでもするかのような部屋に移動して説明を受けます。
その部屋に入ってから、ずっと気になっていたのが一人一人の前におかれている、ローションのような1Lの液体とコップ。
これが下剤だと進んでいく説明の中でわかった。
この時、一人で検査すると思っていた俺は丸テーブルを囲んで皆で下剤を飲むということで嫌になりそうになっていた。
説明の途中にタバコのことがあり、待ち時間にタバコを吸いに行った2人が『さっき、タバコ吸ってしまいました。』と言い出す。
説明している看護師さんが怒ったような口調で
『検査前の書類にも書いてありましたよね?もう吸ってしまったものは仕方が無いので検査します。』
と気まずい雰囲気になりながらも説明は続く。
下剤を飲む→出す→飲む→出すを繰り返し透明になったら看護師さんにチェックしてもらいOKが出たら検査。
説明が終わり、下剤飲み大会がスタート。
下剤は初めてだったのでどのくらい効果があるものなのか興味があった。
漫画やドラマで下剤を盛られた人物が即効でトイレに行ったりするシーンを見て、あまり信じていなかったせいか、身をもって体験できるなんて良い機会だとも思っていた。
皆静かに下剤を飲んでトイレへ行くのかと思っていたら、意外と会話がある。
ばあさんが『若いのに何したの?』とか
じいさんが『ワシはどうもこれを飲むのが苦手なんだ』とか
ばあさんと、娘くらい歳の離れた女性が家庭のことについて話していたり、という感じで会話が成り立っていき雰囲気的には暗くない。
何となく、下剤に立ち向かうという謎の連帯感が生まれそうな気もしてきた。
下剤の味はアクエリアスとレモンを少し混ぜた感じとローションのようなトロトロした感じがあった。
始めは結構いける味だなと思って飲んでいく。
飲んでいくうちに、喉に引っかかるトロトロした感じが絶望的に感じてくる。
300mlくらい飲んだ辺りから物凄い便意が襲ってきて、トイレに行っては下剤を飲んでの繰り返しとなった。
私はこの時点で、下剤の効果を身をもって体感できたのだ。
出るのは良いけど、切れ痔にでもなるのではないかという苦痛と痛みが出てくるので出すのもきつくなってくる。
そして、下剤を飲むのも物凄く嫌にになってくる。
そんなことを繰り返しているうちに、看護師さんを呼べるくらいまで無色透明になった。
看護婦さんからOKが出て荷物を取りに丸テーブルの部屋へ戻る。
入ると他にもOKが出た人が待機していて検査室へ呼ばれる順番を待っていた。
この時点で検査室への呼び出しを受けていないのが、ばあさん。
『下剤をいくら飲んでも出ない、もう下剤なんて飲みたくない』と言って絶望的になっていた。
しかし、ある意味下剤がまったく聞かないというのも凄い。
冗談で、スパイの訓練でも受けてきたせいで下剤が聞かなくなったのだろうと心の中で思っていた。
検査室の準備ができ、次から次へと呼ばれていく光景の中、呼ばれていく人たちは絶望的になってる、ばあさんに励ましの言葉を掛けてから行く。
『ばあちゃん頑張ってね』
『ばあちゃんもう少しだから頑張って出そうよ』
やはり間違っていなかった。
あのキツイ下剤を丸テーブルを囲んで皆で飲むことによって連帯感が生まれたのだ。
そう、下剤の仲間という新しいコミュニティができあがったのだろう。
下剤友の会とでもつければいいんじゃないだろうか。
それはさておき、検査室へ呼ばれる順番が回ってきて、検査室の椅子に座り準備ができるまで待つ。
下剤を飲むことに集中して無色透明になった達成感からか、メインが大腸内視鏡ということを忘れていた。
準備ができたということで検査室へ入る。
『そこに着替えがありますので、下着を脱いで、それを着てベッドに寝て待っていてください。』
手に取り、着替えを始める。
ズボンを見ると、お尻の部分に丸い穴が開いていた。
検査するためだから仕方がないと思って着替えが終わる。
というか、このズボンを履く段階で恥ずかしがっていたら次に起こることに耐えられないだろう。
なにせ、お尻の穴にホースを入れるようなものなのだから。
寝て待つこと数分。
では、今から大腸内視鏡検査を始めます。
『では、あぐらを書くような感じで寝てください。』
そういわれたので仕方が無く、何かの体位のような感じで寝る。
『ちょっと失礼します。』
といわれ、ローションを塗りまくった指を突っ込まれる。
まるで、アナルプレイの前戯ようだ。
前戯までは行かないけど、軽く指を入れられるだけです。
まぁ、こういうプレイを体験しに来ていると思ったほうが気が楽かもしれない。
その後、ホースくらいの太さがある内視鏡を持ってきて
『では、今から入れます。』
カメラが進入してくる感覚は犯されている感覚と思っていいだろう。
大腸はクネクネと曲がっているため、カメラを動かすたびに悶えそうになる。
Mの私にとっては新しい何かに目覚めそうだった。
そして何よりも、消火器内科の先生のテクニックが凄い。
検査中に痛いと感じたのは数回程度。
お尻から何か入れられる抵抗がある人は厳しい検査になるだろう。
20分~30分くらいで検査は終わった。
検査結果は炎症を起こしている箇所が何箇所かあったが経過観察となった。
着替えを済まして、帰るときに丸テーブルの部屋を見ると、ばあさんがまだいた。
『検査終わって異常なかった?』
『はい、炎症を起こしているところが何箇所かありましたが異常はなかったようです。』
『そう、良かったね。元気でね。』
『ありがとうございます。おばあさんも頑張って検査して元気で居てください。それでは。』
といって後にした。
この日を持って下剤友の会は解散した。
6年前の話なので、当時のメンバーは今何しているのかな?と今思いました。
終わり。